2016年 05月 03日
「アイシールド21事件」
ちょっと前の話なんですが、某所でやっていた『物語の作り方ワークショップ』のような催しに、バイト前、ちょっと時間があいたので生徒として参加してきました。
講師の人に経歴聞かれて「えーと……10年くらい前にちょっと、賞的なものとって、それから、たまに、本出してます」っと、この10年くらいを超ざっくり説明したら、
「は!? プロの方ってことですか!? いや、あの、この教室は本当に初歩的なことしかやりませんので確実に物足りないと思いますが……」
ってちょっと困られましたが……
いやあ全然そんなことない、かなり刺激的な体験ばっかりでした。
中でも、自分の中で一番面白かったんが、『アイシールド21事件』。
作品をつくるうえで、作家は、自分が好きな作品とは何か? を考え続けなければならない。
ではどうやってそれを見極めるか。人は本当に好きなものを語る時、顔に出る。
だから、これから、一人づつ、自分が好きな作品について語っていってもらう。
って時間帯がありまして……。
みなさんが――たとえば江国香織さん、ハーレクイン、そういったものについて語っていく中、ぼくはぼくで、「ラノベだとフォーチュンクエスト、まんがだとめぞん一刻、アニメだとZZ……」的なまぁこのブログ的にはいつもいってるようなことを、つらつら語っていったんですが……
先生が、予想外の反応。
先生曰く――
オレは、職業柄からか、好きな作品について分析しすぎてて、自分の中にある論文を語ったような形になってて、表情に変化が見れなかった。すごいフラットやった。
これでは、他の生徒さんが、「人が好きな作品を語る時、表情がどう変化するか」を見る訓練としてちょっと難しすぎる。
なので――
先生が、これからアトランダムに別の作品名をあげていくので、その時のぼくの表情の変化を生徒のみなさんは見てください――という展開になって。
で、先生が、次々、少年漫画をあげていったんですが。
「大楽さんは”うしおととら”はどうですか?」
「あ、好きです」
「大楽さんは”からくりサーカス”はどうですか?」
「もっと好きです」
「あーなるほど、つまり主人公自身が獣になったり、変身したり、大楽さんからあまりに遠すぎるものになる作品よりは、主人公が生身に近いままのほうが好きなんですね……。では”ジョジョ”なんかは?」
「好きですよ。特に第四部とか」
「なるほど。ではアイシールド21は?」
「いやぁぁぁぁ……好きです。好きですよ? 特に最初の五巻くらいはもうこの世に産まれてきてくれてありがとうってレベルでした、けど途中からなんかギャグのセンスが自分的にあわなくなってそれで少し評価下げてる部分あるんです、でもそんな中で神竜寺との神回があって、自分の中でやっぱりこの作品って特別やなって思う部分もあって、でもだからこそ」
「……え、えーと。では、大楽さん以外のみなさん。
大楽さんは、今あげた、”うしおととら””からくりサーカス””ジョジョ””アイシールド21”の中で、どれが一番好きそうでしたか?」
その質問に対する返答は、即答&満場一致でこうでした。
「”アイシールド21”です」
え……えぇぇ!?
ウソぉ!?
先生曰く、
「いや、アイシールドの話題が出た瞬間、こっちが笑いそうになるくらい”ニコッ”としてましたよ……」
とのこと。
そして次々あがる、他の生徒さんからの、
「アイシールドの文句いってるけど、なんだかんだ好きなんだなっていうのがダダ漏れでした……」
「アイシールドの話になった瞬間ギアがあがった」
「嬉々として作品の不満語りだしたのみて、あ、この人、100%アイシールドのファンなんだなと思いました」
ぼくがただのアイシールドファンやという動かぬ事実……!
マジで……!? オレ、そんなにアイシールドファンやったん……!?
そして人というのは、そんなにも好きな作品の話になった時笑顔になるんか……!?
確かにオレ、アイシールドにかんしては、色々不満もあって、”自分を構築してる作品”リストから外してもうてたけど。
嬉々として、作品の不満延々語り出すって、それ完全ただのファンやん……やし、実際、オレ正直アイシールド好きや……。
ナルトとかも、自分内でそのポジションにあるかも。
文句あるけど、「いやなんだかんだいいつつ好きなんだろ素直になれよお前!」みたいな位置に……!
よく考えたら、オレ、そういう作品いっぱいありそうな気がするわ……。
そんな具合で、「アイシールド21事件」も起こった、いろんなことに気付かせてくれた良いワークショップでした。
次もあるとのことで、また行こうかな……。
by dkdkdkdkdk1
| 2016-05-03 01:35
| コンビニ篇