暗号
「ヤキトリ屋かぁ……セーフ」
とは、先日近所でオープンした、小奇麗な飲食店の中身を知った時の僕の感想。
近所で何か工事が始まって、それがけっこう美味しそうな飲食店に化けた時ってかなりテンション上がりますよね。
ヤキトリ屋は、まぁ、いいやろう。
カフェは、かなり良い。一番良い。最近コーヒー買って帰って飲みながら仕事したりするんで。
ラーメン屋も、悪くない。うちの近所、けっこう不毛地帯なんで。
紛らわしいのは、美容室かな。
いや、中身としては、飲食店ですらないんで、全然こっちの要望に応えられてないんですが……
外装的には、けっこう終盤まで、もしかして、ウッド調のなんかオシャレなカフェか? って期待させられたりするんで、結果美容室やった時のダメージが大きい。
今までで一番ショックなんは、”Que”事件。
何年か前、近所のそうとう良さそうな空きスペースに、オシャレな外観の飲食店っぽい店の工事が始まって。
しばらくすると、シャッターは閉まってるんですけど、看板に、オープン日と、何か読めない英語みたいなので、”○○×××Que”とか書いてある。
ラストの三文字だけ読めたんで、ぼくは自分の中でその店を”Que”って呼んで楽しみにしてたんですが……。
オープン日行って、愕然としました。
行ったら、婦人用の服しか置いてない……。
「あの、この店って……」
「はい、新しくオープンしたブティックです。boutique」
「ブティッ……que………?」
この絶望分かってもらえるかなぁ……。
あの、たぶんですけど、三○代男性が、近所にオープンして一番へこむ店、それがブティックなんじゃないでしょうか……。
1000%用が無い。
いやお母さんとかになんかプレゼントの服とか買いに行けばいいのかもしれんけど、なんか、不当? に値段高そうやし……!
自分自身が喜ぶもの、絶対、一つも売ってない……。
近所に店オープンして、こんなにヘコめる店がこの世にあったんやな……。
それ以来、新しい店がオープンしそうになっても、できるだけ無邪気には喜ばないようにする私なのでした。
まずは、que。
末尾に”que”がついてるかどうか。それが肝心だ。