銭闘

情けない戦いの話。

先週、アルバイトに行ったら、バイトの出勤管理用パソコンの横に、こんなメモが貼ってありました。

『大楽/総務課に連絡』

一瞬、意味がわかりません。

総務課……?

なんでたかがアルバイトのオレが、しかもこんな年末徴収とか還付金とか何のイベントもない時期に、総務課に連絡しなアカンのや……?

意味はわかりませんでしたが、回りに誰もいなかったので、とりあえず手っ取り早く総務課に連絡。

すると、驚きの情報が告げられます。

「あの、もしもし。大楽といいますが……」

「ああ、大楽さん? 実はですね、先週、○○税務署から連絡が入りまして……」

「へっ?」

「未納の住民税があるから、収入状況の確認させてください、ということで」

「え……えぇぇ!?」

な、何それ?

それって、ああいう納付書とかに書かれてる、”差し押さえ”に関連すること?

ぶわっと汗が出ました。

そしてこういう事件て、何故か連動するものです。

今度は、帰宅後。ポストを見たら。

何故か、三~四年前に住んでた住所の区役所から、いきなりまた別の住民税の取立ての手紙が。

いや、これ。本当に信じてほしいんですが。

ここ、三、四年。全く連絡なかったにも関わらず、

『三年前に払ってない税金があります。三年前なので延滞金12万円デス。払いに来てね』

内容が、こんな内容。

は、はぁ!? 12万!?

どうなってんのどうなってんの!?

オレ、そういうのめんどくさいから、最近は割と払えるもんは払ってるつもりやったけど!?

というわけで、面倒ですが、先週二つの区役所はしごして税金納めてきました。

悲しいですけど記録としてその戦いをレポートさせていただきます。



銭闘① A区役所

まずは…………延滞金12万とかいう泣きたくなるような取立てしてきたA区役所へ向かいます。

平日の午前中だったので、区役所がらがら。

そして、係の、ほんわかした雰囲気のお姉さんに交渉開始。

大楽「あ、あのう……ちょっといきなりこういう手紙がきたんですが」

お姉さん「あぁ、はい。未納の税金がありますね」

大楽「は、はぁ。確かにそのようなんですが……た、ただ、この延滞金。あの、ここ数年、全く連絡なかったですし。連絡あればお支払いしてましたんで。その……いきなりこれつきつけられるんわ、若干納得いかんというか……本税のほうはもちろん今日全額お支払いしますんで。できれば、延滞金のほうは、多少、まけてもらうことってできませんかね?」

お姉さん「うーん……いや、でも、これは規則ですから」

大楽「い、いや、まぁ、そうなんですけど……む、無理、ですかねぇ?」

お姉さん「……わかりました。では、担当の人間を呼びますので。あちらの個室でお待ちください」

にこやかに笑みを浮かべながら、そのスペースの端にある、”懺悔室”みたいな個室を指差してくるお姉さん。

(え? こ、個室?)

これには若干焦りました。

あれ? なんか……思ったより大事になってきてる?

オレ、今から、あそこに閉じ込められんの……?

つか、”担当の人間?”

オレ専門の担当なんかいるはずないし……このお姉さんだって担当の人間のはずやんな?

じゃあ、担当とは……?

個室で、正直、「早くこの空間から出たい」という気持ちになりつつそわそわしていると(圧迫感すごいんですよ……この空間……)
懺悔室の扉が開きます。

するとそこに現れたのは……
阿川佐和子さんを1000倍冷徹にしたような、完全につけこむ隙のない、百戦錬磨感ハンパじゃない女性職員さん。
いや、何やろ。
ハンター×ハンターで、ゴンとキルアとカイトが、初めてピトーと出会った時、その圧倒的な戦闘力に”ゾンッ!”ってなって青ざめるシーンあるじゃないですか?
あんな感じです。
”ゾンッ!”
見た瞬間、悟りました。
(あ、これ、説得無理や)

そして案の定、交渉は難航。
大楽「えーと、さきほどもお話したんですけど。いきなりだったんでちょっと延滞金まけてもらうこととか、できないですかね……?」
女性「ハイ、その件なんですが、基本的に税金というのは自主納税です。こちらから納税してください、というようなご案内は一切していません。あまりにも滞納がかさんで、どうしてもという時には、仕方なく督促状をおだししているだけです。
つまり、こちらから連絡が来なかったから、納税が遅れた、というのは理屈としては通用しません」
大楽「……………………」
(何その完璧な理論……!)
ぼくは、開口一番の、あまりにも反論不能なその一言に、完全に納得しました。むしろ興奮さえ覚えました。
的確にオレの弱点突きすぎやろ……!
唯一のよりどころやった”いきなり”すら、あっさり、向こうに何の落ち度もないことが証明されてもうた。
大楽「わ、わかりました……ただ、本税とこの延滞金全部一括で払うのは財力的に無理なんで、せめて、この延滞金はもうちょい支払いまってもらえませんか?」
女性「え!? じゃあ、本税は、今日一括で払うんですか!?」
そこで、何故か、女性驚愕。
なんやねん……オレ、一体、どういうキャラやと思われてたんや?
それすら渋ると思われたんかな……?
女性「わ、わかりました。では、本税は本日お支払いいただいて、延滞金は、2万円×6回の六回払にしましょう」
大楽「わかりました……」
というわけで、交渉終了。
まぁ、当然の義務っちゃ当然の義務ですもんね……。
当たり前ですが、延滞金は一円もまかることなく(まぁ、帰還延長してもらえただけでもよかったのかな)、ぼくはA区役所を後にしました……。


銭闘② B区役所

重い現実に嘆息しつつ、今度はその足でB区役所へ。
そして、このB区役所も、相当不安でした。
「A区役所と違って……今度は、バイト先にまで連絡してきた。俺、そんな滞納してるヤツあったっけ……?」
記憶では、そんな案件はなかったような気がしてたんですが……。
一体どれほど出費かさんでるのか!?
お昼ごろ、またまた、ほんわかしたお姉さんを捕まえて、確認します。
大楽「あの~大楽といいます。どうも、アルバイト先に、収入の確認がいったみたいなんですけど……ぼく、なんか、滞納してるヤツあるんですかね?」
女性「ああ、はいはい。お待ちください」
裏にさがって確認を始める女性。
すると、ほどなく、わりとこちらに戻ってきます。
女性「あぁ、お待たせしました。去年の第四期、今年の二月までに押し払いいただく予定だった税金のお支払いがまだだったようですね。それで勤務先に連絡させていただきました」
大楽「えっ!?」
さすがに困惑しました。
というか、なんか目からうろこ落ちました。
A区役所では、三年くらい放置されたあと、いきなり延滞金の連絡来て。
B区役所では、数ヶ月の超過で、バイト先まで探りの連絡入る……?
税金……どんだけ、土地柄によって対応違うねん……。
いや、そもそも延滞すんなって話なんですけど!
大楽「わ、わかりました。では、ここで、お支払いしていきます」
女性「わかりました。今後はよろしくお願いしますね」
去年の四期を支払うぼく。

こうして、ぼくの七月銭闘は幕を閉じました……!


というわけで以上、住民税レポートでした。
あぁもう、みんなが口をそろえていうように、こういうの、来てすぐ処理したほうが逆にいろいろめんどくさくないんやろうな……。
つい、忘れてて、そのうち何が何やらわからんようになって、こういう悲しい事件起こるんやろうな……。

そういうわけで、今度からは気をつけようと思います。


しかし、あのネフェルピトーさんはまじすごかったな……。
二度とあの個室とじこめられたくない……。


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by dkdkdkdkdk1 | 2014-07-14 20:19 | 前進篇
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